6,400人を超える方々が亡くなられるなど、甚大な被害をもたらした阪神・淡路大震災。当社も大きな被害を受けました。神戸市東灘区の本社本館と神戸御影第一工場が損壊し、それぞれ解体を余儀なくされました。深江浜工場、西神工場、六甲アイランド工場、Ｐ＆Ｐスタジオも建物や内部が損傷する被害を受けました。店舗においても、センター街ショップをはじめとする市内各店がかなりの被害を受けました。
当社は従業員の安否確認と安全確保を最優先に、給与の支払い、雇用の確保にも努め、緊急貸付金や見舞金支給などの対策をとりました。
地域社会に対しては、当時生産していた肉まん「包妹妹（パオメイメイ）」を計7回、5カ所で23,000個の炊き出しを行いました。
商品の製造においては、全国に残された6工場でカバー。協力工場への対応も依頼し、生産体制の整備に努めました。お得意先への状況説明、店舗の修復、納品体制の回復など、全社一丸となって復旧に努めました。
お得意先、関係先の皆様からは心暖まる励ましやお見舞いを多数いただき、苦しい状況の中で大きな力となりました。時間はかかりましたが、皆様からのご支援もあり、モロゾフは復興を果たすことができました。

モロゾフは1931年に神戸のトアロードでチョコレートショップとしてスタートしました。
“本物のおいしさ”をお届けしたいとの思いを引き継ぎ、一粒一粒丹念に仕上げたチョコレートをレトロなパッケージに詰め合わせた「プレミアムチョコレートセレクション」が誕生しました。
2006年にはリニューアルを行い、パッケージ缶を山と海に囲まれた美しい神戸の街並みをイメージしたデザインに変更しました。
2016年には、「最高のマリアージュを楽しむ」をテーマに再度リニューアル。パッケージも一新しました。ダージリンの香りが広がる上品な紅茶のガナッシュ入りスイートチョコレートや爽やかに香る桃のガナッシュをスイートチョコレートで包み込んだフルーティーな味わいのチョコレートなど、チョコレートと様々な素材の組合せが楽しめる詰合せになりました。

1998年、1931年に建設され1996年に廃校となった北野小学校が改修され、神戸の観光スポット「北野工房のまち」として生まれ変わりました。洋菓子のほかパンや靴、和紙など約20店舗が出店。当社もそのひとつとしてチョコレートショップを出店しました。どのお店も製造・制作工程を見ながら商品を購入できる「工房のまち」。当社のチョコレートショップでは、「生チョコレート」「水トリュフ」などを実演販売していました。当社の店舗は2009年に閉店しました。

まだホームページを開設する企業がそれほど多くなかった1999年2月、モロゾフはいち早く公式ホームページを開設しました。
ホームページは、「スイート」の分野で「ロマンのある」商品を提供することにより、社会に貢献していく企業姿勢を示す当時の企業理念「ロマンのあるスイート」を中心とした構成としました。また、作り手のこだわりから生まれるモロゾフのスイーツ、季節ごとのイベント、商品紹介などを掲載しました。
インターネットの強みは双方向の通信が容易にできることです。お客様とのつながりを大切にしながら、情報発信するとともに、お客様の意見や要望を知ることができる有力なツールとなりました。
その後、ホームページにはＩＲ情報、採用情報などのページも加わり、今でも進化を続けています。

「神戸北野工房のまち」で夏のチョコレートとして1998年に発売し、好評を博した夏のデザート。1999年に全国発売しました。
やさしい甘さのシロップに、とろり、とろけるトリュフを浮かべた新しいスタイルのデザートショコラ。厳選した天然糊料で作ったやわらかなもちっとした食感のゼリーの中には。コニャックの薫り高い風味のクリームたっぷりのガナッシュを包みました。そのガナッシュ入りゼリーをコニャックあふれるシロップに浮かべました。
百貨店の洋菓子コーナーでは、「手作り感覚」「季節感のある商品」「技を感じさせる…」など特徴のある商品に人気が集中していた時代、モロゾフの話題性のある商品開発に努めていました。
（現在は販売しておりません）

幼い兄弟アレックスとマイケルが暮らす、アメリカ西海岸のセレブリティなムードを背景に、気持ちの良い光と風、青い海。高級感の中にある上品な愛らしさを表現したチョコレートブランド「アレックス＆マイケル」。バレンタインブランドとして誕生しました。
バレンタイン商品といえば一般的にハートをモチーフにしたものなど、女性が気軽に渡すには憚られるデザインが多かった当時、気軽に渡しやすいブランドとしてブルーを基調としたシンプルなパッケージデザインを採用。統一されたコンセプトが幅広い女性の支持を集め大ヒットしました。
2002年には“バレンタイン以外の時期にも買いたい”というお客様の声にお応えして、神戸さんちかに常設店をオープンしました。（現在は閉店しております）

2004年4月、カスタードプリンキャンペーンの第1弾として「プリン味わいキャンペーン」を実施。としてカスタードプリンがたまご本来のうまみが生きたコクのあるプリンに生まれ変わるとともに、店頭でのキャンペーンを実施しました。6月には第2弾として初めての「ストラップキャンペーン」を実施。カスタードプリンを6個お買い上げで1口の応募とし、抽選で1000名様にリアルなプリンフィギュア付きのストラップをプレゼントしました。
スタッフはプリンへの「強い思い」をもち、プランニングからストラップの設計、応募はがきの回収まですべて社内で行いました。徹底的にリアルさを追求したストラップは、お客様からもとても好評でした。ここからプリンフィギュア付ボールペンやプリンキャップなど、モロゾフこだわりのグッズをプレゼントする「プリンキャンペーン」が始まりました。
近年ではＳＮＳを通じたキャンペーンなど、毎年、様々なキャンペーンを展開しています。

2015年10月から「高齢者雇用安定法」が施工され、65歳までの雇用の実現が企業に求められるなど、高齢者が年齢にかかわりなく働き続けられる社会の実現が望まれるなか、当社の様々な取り組みが評価され、「高年齢者雇用開発コンテスト」で厚生労働大臣賞（優秀賞） を受賞しました。

「丁寧な暮らし」をコンセプトとして流行に左右されない独自性、自然を愛し人を大切にする気持ち、生活を楽しみ本物を追求する心、華美でない上品な質感の世界観を表現したブランド。ブランド全体のデザインには「北欧」のイメージを採用し、何気ない暮らしの中でのスイーツのあり方をご提案するブランドです。神戸三宮の“さんちか”に１号店をオープンしました。
クロカンや粉を楽しむケーキなど、素材にこだわったスイーツや食器を販売しました。
（現在は閉店しています）

次代の社会を担う子供が健やかに生まれ、育成される環境を整えていくための「次世代育成支援対策推進法」が2005年4月に施行されました。モロゾフはこの推進法に定められた基準を満たし、目標を達成したことにより、2008年12月、兵庫労働局から次世代育成支援企業として認定を受け、その認定マーク（愛称「くるみん」）を取得しました。2013年にも取得しています。

阪神･淡路大震災により損傷を受け、また建物の老朽化も進んでいた深江浜事業所を移設し、物流機能のアウトソーシングを進めるために、2009年8月大阪市此花区北港に北港物流センターを設置し、稼働を開始しました。

神戸御影工場の老朽化や住宅化する周辺環境の変化に対応するため、旧西神工場の隣接地に新しい工場棟を建築することとなり、2009年4月から建設に着工、同年10月に西神第１工場が竣工しました。HACCP思考を取り入れた最新設備を導入し、2010年からチョコレートの生産を開始したことにより、神戸御影工場は廃止となり、六甲アイランド工場と西神工場の神戸２工場体制となりました。
また、環境保全活動の一環として、2014年6月には西神第１工場屋上に太陽光発電装置を設置し、環境負荷の少ないクリーンなエネルギーの活用を図っております。

イタリアのテルニ市と、モロゾフが生まれた神戸市。遠く離れたふたつの町は、モロゾフが大切にしてきたバレンタインという愛の物語によって出会い、あたたかな絆を結びました。
1993年にテルニ市から神戸市に贈られた「愛の像」は、「布引ハーブ園」に飾られ人々に親しまれています。母と子が見つめ合う姿は、時代や国境を超え、すべての人にとっての愛の象徴。2010年にはテルニ市からモロゾフへ、愛と友情の証であるトロフィーが贈られました。